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2012年10月29日月曜日

片膝背負い (おやじ柔道22)

昨日は県立武道館での合同練習会でした。
もちろん少年柔道のです。
私おやじ柔道家も柔道着を着て指導者面して参加しました。
もちろん勧められてのことですけど。

前回の強化練習のように高学年と低学年の二つに分かれて乱取り中心のメニューかと思いきや、今年春の全日本選手権に久しぶりに福井県から出場した敦賀高教諭の西村選手の講師で、講習会のような内容でした。
おやじには大変勉強になりありがたい内容でした。
しかし、うちのへたれ長女マオには少し高度だったようで、一生懸命教えはしましたがあまりついていけてませんでした。

午前、午後に10本程度の寝技、立ち技乱取りもありましたが見ていて気になったことがありました。
冒頭の片膝背負いを連発している女の子がいたのです。
この子は先月の柔道フェスティバルでも確かこの技で優勝をさらっている子です。
前回優勝者の子がこの片膝背負いの連発に有効を取られまくって敗退していました。
その時も審判の協議がなされていましたが、結局反則扱いにはなりませんでした。
それは片膝だから。
両膝をついての背負い投げは少年柔道では禁止されていて、一発反則負けになることもありますが、片膝だとお咎め無しということのようです。
でも、これってどう考えてもおかしいと思います。
そもそも、両膝背負いがなぜ禁止されたのか調べてみました。
相手の股の間に低く潜り込んで両膝をついた状態で前方に巻き込んで投げるやり方は、勢いよく突っ込んでくる子が多い少年柔道では非常に決まりやすく、小さい子が大きい子を投げるのに最も有効な技と言えます。
しかし、低い状態での背負い投げは相手が頭からまっさかさまに畳に落ちる危険性が高く、別名背負い落としと言われ死亡事故につながった事例が多かったのです。
掛けるほうも膝を勢いよく畳につくので膝関節の変形や、損傷につながるとして禁止事項となりました。
両膝をついての背負いが禁止となったことを受けて、片膝背負いをやる子が出てきたのです。
でも、なぜ両膝背負いが禁止となったのかを考えれば片膝の是非も一目瞭然だと思うのです。
低い背負い投げには変わりないのですから、投げられるほうの危険性も変わりないはずですから。
調べると、片膝から立ち上がり、立ち背負いになることが前提であるとの理由で片膝背負いは現在も容認されているようです。
一部の地域では、試験的に片膝も反則扱いとして大会が行われているようですが。

昨日の片膝背負いの子は、どう見ても片膝から立ち背負いに変化するそぶりはなく、片膝から時には両膝着きに変化してバンバンまっさかさまに相手を投げていました。
幸い頭から落ちる子はいませんでしたが、頭が最初に畳につきそうになり、「危ない!」と思うことが頻回にありました。
この子はこの片膝背負いが面白いように決まるものだから、他の技を掛けようともせず、ひたすら片膝の低い背負いを連発しているのです。
おそらく指導者も反則ではないという強い信念を持ってこの片膝背負いを肯定しているのでしょうが、どうなんでしょう。
この子の柔道は、近い将来禁止されるであろう片膝背負いに特化してしまい、大きな壁にぶち当たるのは目に見えています。
何よりも重大な事故がそれまでにおこることも十分考えられるのです。

そんな訳で今日は疑問に思ったことを書いてみたおやじでした。
自分の柔道は割と好調です。
怪我する頻度も最近はかなり減ってきました。
金、土曜と連チャンで柔道をやってもそれほど体はきつくなくなりました。
黒帯を投げることもちょくちょくになりました。
スタミナの無さは変わりませんけど。
続けることで柔道は誰でも強くなる。
金野先生の教えどうりでしょうか。
先週の金曜日には県武の偉い先生から審判の資格を取ってみたらどうかと言われましたが、その前にルールをよく勉強してからですね。
現行柔道の禁止技もよく理解してないおやじですから。

最近ちょっとだけ調子に乗っているおやじでした。



 

2012年10月11日木曜日

おやじ柔道 弐段(21)

今回は先日行われた少年柔道大会について書きます。
10月8日は末っ子のリオがデビュー戦でした。
5歳なので幼年の部で出場です。
要するに幼稚園生の部です。
長女のマオは小三で団体個人両方にフル出場でした。
といっても団体戦は各学年で一人ずつ出ることになっていて、うちの柔道教室は三年生がマオ一人だけだったというだけの事です。
ちなみに三年生以下は次女の幼年の部も合わせて幼稚園から三年生まで各学年一人ずつしかいません。
そんな状況であるということを先に話しておきます。

さて、試合のほうですがまず団体戦から始まりました。
うちの娘たちが所属する坂井町、春江町、丸岡町、川口道場の4チームでリーグ戦です。
結果は我が坂井町は2位。
マオは3試合に出場し、一回引き分けて残りは敗退とまたしても初勝利はお預けとなりました。
最近は打ち込みなどでも進歩が認められるのですが、試合と練習では本質的な部分で決定的な違いがあると思います。
それをこれから話すリオの試合で痛感しました。

団体戦が終了するともう11時。
午前最後はいよいよ幼年の部です。
実は幼年の部は3人しか出場選手がいなかったので、総当たり戦となりました。
初戦はガチガチに緊張した中、相手は川口道場の川口君。
道場のお子さん、川口兄弟の一人みたいです。
その相手が大外刈りをかけてきました。
伸びてきた刈り足をまたぐ様にかわしました。
相手はそれでもめげずに再度大外刈りをかけてきました。
それも右足でひょいとまたいでかわしました。
そのあとはこれの連続です。
気が付くとリオは相手を軸にして反時計回りにぐるぐる回っていました。
当初の作戦では組み際に背負い投げに行く作戦でしたが、とてもそんな余裕はありません。
そうこうしているうちに終了間際、ついに相手の大外が決まり横倒しから背中を着いてしまいました。
そのまま袈裟固めで勝負あった、と思った次の瞬間なんと相手が首に回した腕を抜いて脱出に成功。
一本負けは免れました。

二戦目は初戦と同じ川口道場の子、お兄ちゃんは中学、小学生で名をはせている柔道兄弟の末っ子です。
連戦となりスタミナに自信の無いおやじなら死んでるところです。
初めの掛け声とともにお互いダッシュで組み合う幼稚園児二人。
なんともかわいい光景です。
しかし周囲はそんな余裕は全くなく、大声援の嵐です。
お互いの陣営が試合場外線のすぐそばで声を枯らして叫んでいます。
相手の子は初戦の相手よりもどうやら一枚上手のようで、同じ大外刈りをかけてきますが初戦の様にうまくかわすことが出来ずあっさり刈り倒されました。
が、次の瞬間目を疑いました。
倒される瞬間体をひねって背中が畳につくのを避けたのです、要するに腹這いに倒れたのです。
腹這いで背中が着かなければポイントはありません。
相手はリオが体をひねったせいで前方に大きく転がりました。
同様の光景がその後二回続いて会場は笑いと声援で大盛り上がりです。
審判はどうしてよいかわからない様子です。
そのうち相手の大外のタイミングを見切ったのか、倒されなくなりました。
初戦の様に反時計回りにぐるぐる回りだしました。
リオは左組み、相手は右組のけんか四つなので自分の引き手側に回っていくわけです。
そして、相手の大外の刈り足をまたいでかわす光景が再現されてきました。
今回の相手はしっかりと技に入ってくるので完全にかわすことが出来ず、何とか踏ん張って耐えながらもぐるぐる回るのをやめません。
そのうち気が付くと自分が相手のすぐわきにいて大外刈りに行くのに絶好のポジションになっていました。
場内から大声援に交じって指導のY先生の「おおそと~」の声が届いたのでしょうか。
リオが大外刈りで反撃すると相手は後ろによたよたと座り込むように倒れました。
すぐ寝技に行こうとするも逃げられ再開。
またぐるぐると相手の周りを回るリオ。
しかし今回は明らかに反撃の機をうかがっていました。
再度大外刈り、今回はきれいに背中が着きました。
一本取るほどの勢いはなかったですけど。
そのまま今度はリオが袈裟固めで抑えました。
しかし、相手の腕をしっかり押さえていなかったのですぐに逃げられてしまい試合再開。
相手はポイントリードを許したことが分かったのか、怒涛の大外刈りを連発してきました。
ぐるぐる回りながら耐えるリオ。
覚えたばかりの背負い投げに入る素振りもしてましたが、なんとか耐えたところで試合終了となりました。

会場は試合が終わってもざわめいていました。
まだ熱戦の余韻が残っていました。
主審と二人の副審が集まって何やら協議しています。
やけに長い間協議しています。
そういえばお互い派手に倒し倒されの試合でしたが、審判の有効だか、技ありの裁定ははっきりしませんでした。
審判も訳が分からなくなっていたのかもしれません。
長い協議の末いよいよ勝敗が告げられました。
最初相手の子に向かって左手を横斜め下に出し、右手で無しのポーズ。
有効が取り消されたということです。
相手陣営は自分たちの子に向かって手が上がったので、勝ったものと思い歓声を上げています。無しのジェスチャーの後、手を真ん中にして引き分けのジェスチャー。
ここで本部から「違う」の合図。
最後にようやくリオに向かって手が挙げられリオの勝利が確定しました。

歓声が上がり、ほっとしたのもつかの間、さっそく残りの二人の試合が始まりました。
ここでなんとリオが勝った相手が、リオの負けた相手に勝ってしまったのです。
ということは、勝ち負けだけで考えると三人とも一勝一敗で差がありません。
内容で見るとリオとリオに負けた子が同点で並ぶという結果になりました。
ここで決定戦の話も出ましたが、坂井市柔道協会会長の「もう直接試合して勝負がついている」の一声でリオの優勝が決まりました。
万歳。

長々と書きましたが後でビデオを繰り返し見てみると、リオのすべての動きが優勝につながっていると思えてきました。
初戦は判定負けでしたが最後の抑え込みを逃げられなければそのまま一本負けとなり優勝はできませんでした。
引手側に回って相手の技を凌ぎ、自分の技に入る機会をうかがったのも立派。
最後に大外で倒した後、すかさず袈裟固めに入ったのも立派です。

あまり書くと親馬鹿が過ぎるのでやめますが、勝負に対する執念はおやじも見習うべきものがありました。
マオに足りないのもこれだと思います。
そしてそれは人から教わって得られるものでなく、生まれながらに持っていなくてはならない物だと感じたのです。

試合が終わって数日経ちましたが、リオはいつものリオで、マオは悔しさを表面には出さないものの、考えるところがあるようです。

おやじは自分の一生を通じて縁が無かった優勝の賞状を金の額縁に入れてボ~と眺める日々です。
正直「信じられない」「うそみたい」
これが弾みとなって大化けしてくれるんでしょうか。
試合後しばらくはリオが遠い存在に感じられて仕方がなかったへたれおやじでした。

おめでとう。
そしてありがとう。