診療時間

診療受け付けは

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日、祝祭日は休診です。
毎週 水曜午後は前院長の齊藤栄宏が診察しておりましたが、高齢のため引退いたしました。現在は診察は全て現院長の齊藤寛が行っております。予約制ではありませんがご希望の方は是非いらしてください。

2011年9月29日木曜日

単純鼓膜穿孔に対する保存的閉鎖術と中耳機能検査(ホームページに公開しました)



単純鼓膜穿孔症例に対する保存的閉鎖術と中耳機能検査について

病態

慢性中耳炎でのいわゆる単純鼓膜穿孔とは、以前の中耳炎などで鼓膜に穴があいているが、鼓膜穿孔以外に耳小骨や中耳に障害がない場合を単純性鼓膜穿孔といいます。鼓膜にテスト的に紙を貼るパッチテストという検査があり、これが中耳機能検査となります。すなわちパッチすることで聴こえが良くなれば、耳小骨や中耳の問題はなく単純性の鼓膜穿孔と考えられます。

症状

伝音性難聴に加えて、風邪を引いたときなどに耳漏が出ることがあります。これが慢性中耳炎といわれる理由です。

治療

単純性鼓膜穿孔であれば、鼓膜形成術という比較的簡単な手術で治療可能です。もしパッチテストで聴力が改善しない場合は、鼓膜の閉鎖に加えて耳小骨や中耳の問題を解決する必要があり、鼓室形成術というもう一段階上の手術が必要となります。

単純鼓膜穿孔でも穿孔があまりに大きく残存鼓膜がほとんどないような場合は鼓室形成術が必要となります。

当院では現在のところ耳の日帰り手術は行っておりませんので福井大学医学部付属病院をはじめとする近隣の総合病院耳鼻科に紹介させていただいております。

また、小穿孔の場合では、鼓膜穿孔の辺縁を薬剤で刺激することを根気強く繰り返すことで鼓膜の瘢痕、再生を促し閉鎖に至らしめる保存的閉鎖術もあります。穿孔閉鎖に至るまでの期間は症例ごとに異なりますが最も少ない侵襲で行える処置と言え、当院でも患者さんと相談の上、行っております。
図1. 小穿孔: この程度なら保存的閉鎖が十分可能です。

図2. 中穿孔: 保存的に閉鎖できる確率は5分5分です。

図3. 大穿孔: かなり長期間の間に穿孔が拡大しており、外科的閉鎖術の適応となります。それも鼓室形成術となるでしょう。

図4. 外傷性鼓膜穿孔: 平手打ちなどの外傷で鼓膜が裂ける場合があります。この場合は図のように穿孔が大きく見えても、感染を回避できればかなりの頻度で自然閉鎖が期待できます。

2011年9月27日火曜日

外耳道異物について(ホームページに公開済み)

4. 外耳道異物摘出術
外耳道異物症は耳穴に入る大きさのものであればすべて原因になりえます。
小児で最もよくあるのがおもちゃのビーズやBB弾などです。これらは丸いので外耳道に陥頓するとなかなか自宅で取り出すことが難しく、無理に耳かきや爪楊枝のようなもので取ろうとするとさらに奥に入り込んだり、出血して痛がったりとろくなことになりません。耳鼻咽喉科には耳垢を摘出するための耳垢鉗子という道具がありますので無理せず耳鼻科受診をしてください。また奥に入り込みすぎてお子さんの鼓膜に当たって痛がって暴れるような場合は全身麻酔下に摘出する事もあります。
成人の場合では多いのは虫が耳穴に入り込んで取れなくなることです。この場合の対処法を説明いたします。耳に虫が入った場合中で暴れますので非常に慌てると思います。まず落ち着いて、耳を上に向けてください。日の光に誘われて虫が飛び出ていくことがあります。出てこないようなら、すぐに耳の中に油を入れてください。きれいな食用油なら大丈夫です。耳たぶを後上方に引っ張りながら耳穴に沿うように静かに溢れるほど入れます。スプーンで結構です。虫の動きを抑制し、剛毛や足先の爪が滑って傷つけることを防ぎます。油は体表の呼吸孔も塞いでしまうので殺虫効果もあります。鼓膜に穿孔があった場合でも油は体に吸収されずに残るので後で除去できます。アルコールや、麻酔薬、殺虫剤は体に吸収されて悪影響を及ぼすことがあるので使わないでください。
虫が動かなくなってから耳鼻科で虫を取り除いてもらってください。虫が動かなくなってしまえば夜間の場合、一晩ぐらいはそのままにして翌朝、耳鼻咽喉科を受診していただいても結構です。
また耳に油を入れた後、耳を傾けた時に虫が流れ出た場合でも耳鼻咽喉科受診をしてください。虫の体の一部が残っていたり、鼓膜などに傷がついている場合があるからです。
写真の上、中は昆虫、
下は玩具です。

2011年9月22日木曜日

急性中耳炎と鼓膜切開 (ホームページ公開済)

2.急性中耳炎と鼓膜切開


お子さんが中耳炎になり鼓膜切開が必要と言われたとき、たいていの親御さんは不安になると思います。まして繰り返し鼓膜切開を行った場合など、何か悪い影響が出るのではないかと心配されることでしょう。 

 鼓膜切開を繰り返さなくてはいけない中耳炎には03歳までにみられる反復性中耳炎があります。乳幼児の免疫力が十分ではないことから起こります。幼児期以降にみられる滲出性中耳炎も鼓膜切開の対象となります。茶褐色の液体が中耳空に貯留して聴力が低下するので、日常生活や学業に影響が出る可能性があります。これらの中耳炎は鼓膜切開で一時的に治っても、しばらくすると再発して切開することになります。12回の切開で鼓膜に影響が出ることはほとんどありませんが、繰り返し行うとなると注意が必要であることは確かです。
繰り返し鼓膜切開することで起こりうる問題点は以下の通りです。

1.お子さんの肉体的精神的苦痛、保護者にとっても精神的苦痛となり、そのために通院を継続できなくなる場合があります。

2.鼓膜切開を行う部位は、ほぼ同じであるため繰り返すことで鼓膜組織に傷が出来、鼓膜は少しづつ薄くなることがあります。聴力にはほとんど影響しません。

3.鼓膜の再生力が低下して鼓膜に穿孔(穴)が残ってしまうことがまれにあります。聴力の低下は穿孔の大きさにある程度比例します。


大きな聴力低下を伴うような大きな穿孔が残った場合、鼓膜形成術といった手術が必要となる場合があります。



両方とも同一患者の鼓膜です。上は左鼓膜で切開、または自壊を繰り返した部分が固く石灰化しています。

下は右鼓膜で穿孔が残り慢性中耳炎の状態になっています。

耳垢のお話(ホームページに掲載済み)

1.耳垢栓塞
お子さんの耳を見るとたいていのお子さんは黄色い乾いた耳垢がいっぱい溜まっています。
しかし心配することはありません。耳には自浄作用があり自然と耳の入り口まで耳垢が運ばれてきます。
耳掃除の基本はこの入口まで運ばれてきた耳垢を優しく取ってあげることです。耳掃除をするときには竹、木、金属の耳かきを使用すると怪我をする可能性があるので気を付けてください。またお子さんに大人用の太い綿棒を使うと耳垢を奥に押し込むだけとなりますので子供用の細い綿棒を使ってください。以前、目の悪いおじちゃんが孫の耳掃除を奥を突くのが怖いので、わざと太い綿棒でやっているが最近綿棒が入らなくなったと言って奥にカチカチに耳垢が詰まったお子さんを連れてきたことがありました。

こんなかんじです。

耳垢を除去するとこんなかんじです。



  耳垢は耳垢塞栓という立派な病名があり、放置すると外耳道の骨に食い込むほど溜まることがあります。こうなると外耳道真珠腫という病気で手術が必要となる場合があります。
 お子さんの耳垢はさほど気にする必要はありませんが、耳の健康診断を兼ねて定期的に耳鼻咽喉科に受診することをお勧めします。



耳垢の画像です。

乾いたものから湿ったものまであります。


2011年9月20日火曜日

ホームページを公開しました。
手作りもいいとこですが、これから少しづつ充実させていく予定です。




地道に少しづつではありますが前進していくつもりです。

2011年9月7日水曜日

お子さんのいびきが心配な方へ


 お子さんが毎晩大きないびきをかいていて心配になる場合があります。

そのような時はお子さんが眠っている間にパジャマをそっと開いて胸の動きを観察してみてください。息を吸おうとしているときに胸がへこんでいるようであれば要注意です。子供のいびきの原因はほとんどがアデノイド肥大口蓋扁桃肥大による鼻呼吸障害です。寝ているときにつまった鼻で呼吸しようとすると、いびきをかいたり、呼吸が止まってしまったりするようようになります。鼻かぜや副鼻腔炎による一時的ないびきはそれほど問題にはなりません。しかし数か月以上、一晩中大きな苦しそうないびきが続くときは詳しい検査が必要です。
口蓋扁桃肥大の写真
アデノイドを鼻内から見た写真、鼻からのどへの出口がアデノイドで閉塞している様子


わかりやすく図で説明するとこのようになります。


 毎晩胸がへこむいびきをかいている場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。その際、睡眠中のビデオを撮影して持参するとよいでしょう。いびきがひどくなると睡眠時無呼吸症候群である可能性があります。

具体的な症状としては以下のものが挙げられます。

·         朝、目覚めが悪い。

·         昼寝が長い。(23時間以上)

·         居眠りをよくする。

·         夜何度も起きる。

·         おねしょをする。

·         一晩中いびきをかいている。

子供のいびき・無呼吸は大半が手術でよくなります。手術の時期は3歳からでも問題なく、必要であれば1歳ぐらいでも行うことができます。