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2011年8月26日金曜日

副鼻腔炎で長く通院しているお子さんについて


今日はお子さんの副鼻腔炎についてのおはなしです。

鼻は鼻腔とそれを取り巻く空洞である副鼻腔からなり、鼻腔と副鼻腔は自然孔という小孔で交通しています。

一般に子供の副鼻腔炎は副鼻腔があまり発達していないので成人より治りやすく、治りにくい場合は適切な治療が行われていなかったり、または鼻汁中に抗菌薬が効かないような菌の存在があったり、鼻茸やアデノイド肥大があったり、鼻の粘膜が高度に腫れていたり、鼻中隔が曲がっていたりする場合があります。

副鼻腔炎の治療の基本は鼻の通りをよくして副鼻腔に溜まった汚い鼻汁を自然孔から排出させることです。さらに鼻の通りを妨げる鼻茸や、アデノイド肥大は手術する必要があり、鼻アレルギーや喘息があるお子さんは鼻の粘膜が過敏で腫れやすくすぐに鼻閉が起こるので抗アレルギー薬の投与を行う必要があります。

それに並行して鼻汁中の検出菌に対して有効な抗菌薬を12週間投与し、さらに粘膜の繊毛上皮機能を高める酵素剤、去痰剤の同時長期間投与を行います。最近ではマクロライド系抗菌薬を通常の半量という少ない量で13か月間長期投与することが非常に有効であることが知られています。

手術的治療は以上の保存的治療で改善が見られなかった場合に検討されますが、顔面骨の発育途上にあるお子さんの場合は年齢を考慮しながら慎重に行う必要があります。最近の副鼻腔手術は以前のように病的な副鼻腔粘膜をすべて取り除くというものではなく、内視鏡を使って副鼻腔の自然孔を開放し排泄をよくしてあげて自然回復を図る方法が主流となっており、比較的低年齢児でも可能とする意見もありますが、やはり1315歳を目安にするほうが妥当と思います。

 お子さんの副鼻腔炎は免疫機能が成人に近づく1113歳ごろを境に約50%のお子さんが自然治癒する特徴があり、その年齢を目安に根気よく通院することをお勧めします。




上のファイバー写真は鼻腔に存在する鼻茸(ポリープ)の写真です。これが副鼻腔から自然孔を通って鼻腔にはみ出しているわけです。当然鼻の通りも悪くなり副鼻腔炎はなかなか良くなりません。副鼻腔自然孔開大処置と吸引などの外来処置、ネブライザー(吸入)、内服治療などの保存的治療できれいに消失する場合があります。



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