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2013年3月15日金曜日

花粉症の薬について

花粉症のシーズンがついに到来してしまいました。
私も実は花粉症でありまして、今回はいつものおやじ柔道に変わってたまには真面目に花粉症について述べたいと思います。

ホームページでも左端の下にトピックスで載せておきました。
見づらいですがそこは手作りホームページということでご容赦ください。


花粉症の薬について 

1.抗アレルギー薬

花粉症はアレルギーの原因物質であるヒスタミンの働きによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、など多くの症状が引き起こされます。抗アレルギー薬はこのヒスタミンの発生と放出を抑えることにより症状を軽くし、また症状が出始めるのを遅らせる効果があります。

 

出てしまったヒスタミンを抑えるのではなく、ヒスタミンの発生そのものを抑えるので予防的効果が期待出来ます。花粉の飛び始める2週間くらい前から飲み始め、シーズン中は切らさずのみ続けるようにします。それほど強力な薬ではありませんが、副作用の少ない薬が多くほぼシーズン中は飲み続けることが出来ますし、症状の軽い方であれば抗アレルギー薬のみでも症状が軽くなることが十分期待できます。

 

抗アレルギー薬は非常に多くの種類がありますが、効き目や副作用(眠気など)は個人差があります。ある方にはAという薬が良く効き、別の方にはBという薬の方が良く効く、というようなことが往々にしてあります。そのため、効いていないと感じたら先生と相談しながら薬を替えてみるのも一つです。副作用が少なくて効果の高い自分に合った薬を見つけることが出来れば、それに越したことはありません。

 

なお、抗アレルギー薬でも抗ヒスタミン効果のあるものとないものがあります。抗ヒスタミン効果のある抗アレルギー薬を塩基性抗アレルギー薬といい、下記の薬がそれに相当します。

 

塩基性抗アレルギー薬・・・アゼプチン、アレロック、セルテクト、レミカット(ダレン)、ザジデン、アレジオン、エバステル、ヒスマナール、ジルテック、アレグラ、タリオン、ゼスラン(ニポラジン)、クラリチンなど。

 

それに対し、抗ヒスタミン効果を持たない抗アレルギー薬を酸性抗アレルギー薬といい、下記の薬がそれに相当します。

 

酸性抗アレルギー薬・・・リザベン、アレギサール(ペミラストン)、ソルファーなど。

 

現在はほとんどが前者の抗ヒスタミン効果のあるタイプが使われており、予防効果と即効性の抗ヒスタミン効果を併せ持つ塩基性抗アレルギー薬を「第二世代抗ヒスタミン薬(第二世代ヒスタミン拮抗薬)」と呼びます。

 

なお、今まで処方薬だった第二世代抗ヒスタミン薬の一部が、スイッチOTCとして普通の薬局で処方箋無しでも買えるようになりました。<塩酸アゼラスチン(アゼプチン)>ハイガード(エーザイ)、<フマル酸ケトチフェン(ザジテン)>パブロン鼻炎Z(大正製薬)、ザジテンAL(ノバルティスファーマ)<メキタジン(ゼスラン)>アルガード鼻炎内服薬Z(ロート)、ピロットA錠(全薬工業)などが既に出回っています。

抗アレルギー薬はすでに症状が出ている状態ではあまり効きを感じにくいですが、シーズン中飲み続けても目立った副作用が出にくいということもあって、花粉症の治療薬としては第一選択になります。多くの方が抗アレルギー薬として処方されている「第二世代抗ヒスタミン薬」では多少の抗ヒスタミン効果を併せ持っているため、症状が出てしまってからでは全く効果がないというわけではありません。また、抗ヒスタミン成分によりある程度の即効性を期待できるものもあります(ジルテック、タリオン、アレグラ、ゼスランなど)。なお、抗アレルギー薬は銘柄によって抗ヒスタミン効果、眠気の大小などがあります。

 

なおこの抗アレルギー薬は強い効果が期待できない代わりに目立った副作用が出にくいという比較的安全な薬ですが、毎日飲み続ける薬としては薬価の高いものが多いというのが欠点です。特に新薬はどうしても薬価が高くなりがちで、 アレジオン、クラリチンなどを飲み続けていると結構な金額になってしまいます。ちなみに薬価はクラリチンが約130/錠、 アレジオン錠10が約140/錠、アレグラ60mgが約90/錠、比較的安いゼスランが約10/錠です。傾向として、薬価の高い薬=比較的新薬に近いものは眠気の副作用が少なく、薬価の安い古くからある薬は眠気も出やすいようです。しかし抗ヒスタミン効果は眠気に比例するので古い薬ほど効果がある、という傾向があります。効き目を重視すると眠気も強くなり、眠気の出にくい薬は効き目を妥協せざるを得ないという、薬の選択の難しさがあります。

 

2.抗ヒスタミン薬

花粉によって発生したヒスタミンの働きを抑えます。古くからある薬で、病院で処方されるポララミンなどの他、市販の薬に多く含まれています。ヒスタミンの働きに直接的に作用するため、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどがひどいとき、花粉の飛散の多い日などに即効的な効果が期待できます。また、すでに出てしまった症状に対しても効果があり、抗アレルギー薬に比べて明らかな症状の改善を体感出来ます。

 

抗ヒスタミン薬は効果が高いですが持続時間が短く、そのままではあまり長時間の効果は期待できません(46時間程度)。そのため、ポララミン復効錠や市販の鼻炎カプセルなどは、2層構造にしたり、溶け出す時間の異なる2種類の顆粒を配合したりして、即効性と持続性の双方を持たせています。

 

また、抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水に対しては効果があるものの、鼻づまりに対してはほとんど効果がありません。

 

副作用は眠気、口の渇き、倦怠感などがあり、抗アレルギー薬に比べると強く感じる場合が多いです。主成分として最もよく使われているマレイン酸クロルフェニラミンはそれほど眠気は強くない方だとされていますが、睡眠薬代わりになるような強い眠気を持つ抗ヒスタミン薬に比べれば「少ない」というだけであって、人によってはかなりの強い眠気を生じます。市販の鼻炎カプセルなどに「乗り物の運転、機械の操作など危険を伴う作業は控えてください」と書かれているのはこのためです。なお、点眼、点鼻用としてはほとんど副作用もなく最も即効性があるため、市販薬にも良く使われています。

 

なお、抗アレルギー薬のうち、抗ヒスタミン作用をもつものを第二世代抗ヒスタミン薬と呼びますが、それに対しこちらの古くからある抗ヒスタミン薬を「第一世代ヒスタミン薬(第一世代ヒスタミン拮抗薬)」と呼びます。

 

最近この分類(というより呼称)が始まったため非常に紛らわしいですが、しばらくの間はまだ多くの方になじみのある抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、という記述にしたいと思います。

 

3.ステロイド(副腎皮質ホルモン)

ステロイドとは、本来人体の副腎皮質で分泌されているホルモンを人工的に作り出した薬剤で(正確にはステロイド剤)、ヒスタミンによって引き起こされた鼻の粘膜の炎症、目の結膜の炎症を鎮めます。また免疫系など組織の反応性を低下させる作用を示し、アレルギー反応も抑える働きをします。効果は非常に強力で、花粉症だけでなく多くの疾患での最後の切り札的な存在です。

 

主に点眼、点鼻薬として使われていますが、症状の重い場合は内服薬のセレスタミン(抗ヒスタミン薬との配合剤)なども広く使われています。純粋なステロイド剤であるプレドニンも使われることがありますが、5mg錠ではセレスタミン錠のほぼ2倍のステロイドの強さに相当します。ただし、セレスタミンに含まれるベタメタゾンは長期作用型、プレドニンは中期作用型のため、プレドニンの方がピンポイント的に使いやすいともいえます。

 

効果は非常に強力で、抗ヒスタミン薬に比べても明らかに症状の改善がみられます。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬でほとんど症状の改善がみられなかった重症の方でも効果が期待できます。自分が花粉症であることを忘れてしまうことすらあります。ただし、抗ヒスタミン薬ほどの即効性はなく、効果が現れるまで12日を要します。(セレスタミンは抗ヒスタミン成分が配合されているので即効性あり)

 

強力な効果を持つ反面、ステロイド剤には強い副作用があります。本来体が持っているホルモンを人工的に与えることになり、体の様々な機能のバランスに影響を与え、感染症、胃潰瘍、骨粗鬆症、抑鬱、その他様々な副作用が生じ、長期大量投与後に急に中断したりすると副腎の萎縮によるリバウンドの危険もあります。花粉症で使用する程度の量であればあまり心配しすぎることはありませんが、あまり長期に渡っての使用は控えた方が良いです。

 

いずれにせよ、花粉症では少量のステロイドにとどめるのが通常で、セレスタミンであればセレスタミン錠x12/日、プレドニンならプレドニン5mg錠x1/日、程度で十分な効果を発揮します。

 

点眼、点鼻に使う分には短期間であればあまり気にしなくても良いようですが、やはり長期に渡っての使用は避けた方が無難です。目や鼻の感染症、鼻の粘膜が弱くなったり、緑内障の原因になることもあります。

 

怖がりすぎる必要はありませんし、花粉症の症状が重い場合には使用した方が良いことも多いです。どんな薬でもそうですが、基本的に薬は「効果>副作用」と判断できるときに使用するものです。副作用のリスクを避けるためにはなるべく短期間でピンポイント的に使用し、漫然と使用しないことが必要です。

 

ステロイド注射について

ステロイドには内服、点眼、点鼻の他にケナコルトA筋注、すなわちステロイドの注射がありますが、これは慎重に慎重を重ねるべきものです。注射一本で花粉症シーズンを楽に過ごせる、との触れ込みで一時期流行りましたが、ステロイドの注射は内服に比べてはるかにリスクが高いということを理解しておく必要があります。

 

ステロイドでも内服薬であるセレスタミンなどは、服用して数日で代謝により薬剤が体から出ていきます。そのため、花粉の飛散量に合わせて数日単位でステロイドの量をコントロール出来ますし、万が一思わぬ副作用が出たときも服用をやめれば最悪でも副作用はその数日間だけで済みます。しかし注射はそうはいかず、効果が1ヶ月持続する代わりに副作用も1ヶ月続きます。重篤な副作用が生じた場合も薬が排出されるまでの1ヶ月、常に副作用に悩まされることになります。

 

そのため日本アレルギー学会でも「花粉症に対するステロイド注射は望ましくない」ということを警告しておりますし、余程特殊な事情でどうしても必要ということでもない限り安易なステロイド注射はすべきでありません。使用にあたっては医師から十分な説明を受け、リスクについてもよく話し合うことが不可欠です。

 

 

4.花粉症の処方薬(病院でもらう薬)

いったい病院でもらって使っている薬がどういうものであるかとか、前ページのどの分類に相当するのか、薬局でどの薬を選んだらよいかというのはなかなかわかりにくいものです。ということで薬の見分け方、飲み方、選び方を紹介しましょう。

 

内服薬の飲み方

花粉症で病院にかかったときに出される薬ですが、余程ひどくなってからもらいに行かない限りは抗アレルギー薬(第二世代抗ヒスタミン薬)がほとんどです。代表的なものとしてアレジオン、アレグラ、ジルテックなどがありますが、種類が多いのでわかりにくいかもしれません。毎日飲んでよい、というものはほぼ抗アレルギー薬で間違いないはずです。飲み方は12回のもの(アレグラ、ゼスラン、タリオン等)と、 11回のもの(ジルテック、クラリチン等)がありますが、基本的に毎日飲み続けることで成分の血中濃度が保たれるので、雨の日など花粉の少ない日でも休まず飲み続けます。

 

花粉シーズンのピークや、花粉症による症状がひどいときには一時的に出される強い薬があります。袋に「頓服薬」などと書かれていることが多いこれらの薬は抗ヒスタミン薬(第一世代抗ヒスタミン薬)、あるいはステロイド剤です。抗ヒスタミン薬では、抗ヒスタミン成分の「マレイン酸クロルフェニラミン」が含まれるポララミン(124回服用の2mg錠と112回服用の6mg復効錠がある)がほとんどだと思います。ポララミンは抗アレルギー薬に比べくしゃみや鼻水などに対して即効性かつ強い効果がありますが、最大の欠点は眠気が出やすいということです。他に大きな副作用の心配はない安全な薬ですので、眠気さえ問題なければ安心して飲み続けることも可能です。

 

ポララミンではなくセレスタミンという薬が処方されることもありますが、こちらはステロイド剤です。ただセレスタミンは純然たるステロイド剤ではなく、ステロイド成分を減らすためと即効性を持たせるために、ステロイド成分に加えてポララミン2mgと同量の抗ヒスタミン成分が配合されています。そのため、セレスタミンを服用して30分~数時間での効果はほとんどが抗ヒスタミン成分と考えた方が良いと思います。セレスタミンに含まれる成分のうち、より強力なステロイド成分はプレドニゾロン換算で2.5mg(プレドニン5mg0.5個相当)含まれておりますが、ベタメタゾンという長期作用型のため効果が出るまで約1日、そしてその後効果が3日ほど続くことを認識しておく必要があります。セレスタミンを飲んで数時間後に効き目が落ちたからといってすぐにもう一錠飲む、なんてことは間違ってもしてはいけません。ステロイド剤は長期連用が問題となる場合もありますが、花粉症の薬としての効果は最も強力です。漢方薬などをもらう場合もありますが、これはどちらにも属さないタイプで、即効性は最も低いでしょう。

 

点眼薬(目薬)、点鼻薬

こちらも花粉症用として最初に病院でもらえるのは抗アレルギー薬が多いです。点眼用(目薬)にインタール(クロモフェロン)、点鼻用にノスランが良く使われますが、どちらも成分に抗アレルギー薬の「クロモグリク酸ナトリウム」を2%含んでいます。その他にはザジテンなどの第二世代抗ヒスタミン薬、リボスチンなども使われますが、こちらは抗ヒスタミン効果があるため、インタールやノスランなどに比べるとはっきりとした効果が感じられます。

 

症状のひどいときにはステロイド系点眼薬のフルメトロン0.02などが処方されますが、ステロイドとしては比較的弱いタイプです(それでも強力です)。強いものとしてフルメトロン0.1、さらに強いリンデロンなどもありますが、これらは花粉症ではよほどひどくないと処方されないと思います。点鼻薬では同じくステロイドのフルナーゼやシナクリンなどがありますが、これらも非常によく効きます。

 

点眼薬(目薬)の注し方

点眼薬(目薬)の注し方ですが、容器の先端がまつげに触れないよう少し離して一滴だけ点眼します。うまく点眼できなかったときのみもう一滴点眼します。点眼したらすぐにあまりまばたきをせずに目を閉じ、そのまま30秒くらい目をつむったままにします。そうすることで点眼薬が浸透するだけでなく、点眼薬が鼻に流れるのを抑えることが出来ます。その後、目の回りにあふれた点眼薬をティッシュなどで軽く押さえるようにして拭き取ります。

 

コンタクトレンズを使用する場合ですが、ハード、および一日使い捨てタイプの場合はそのままレンズの上から点眼してしまって構いません。ソフトや二週間タイプのコンタクトレンズの場合はそのままでは点眼できませんので一度レンズを外すか、レンズ装着前に点眼し、出来れば15分以上置いてからレンズを装着するようにします。

 

点眼薬(目薬)が複数ある場合ですが、同時に注すと効果が薄れてしまうため、異なる種類の点眼薬は少なくとも5分は空けてから点眼します。順番は基本的には最も効果を期待するものを最後にしますが、フルメトロンのような懸濁液は角膜に長くとどまることで薬効を発揮するものですので、最後に点眼するようにします。フルメトロン、市販のアルガード、クロモフェロンであれば、アルガード→5分空ける→クロモフェロン→5分空ける→フルメトロンが正解です。

 

点鼻薬の使い方

点鼻薬ですが、使用前によく鼻をかみ、軽く吸い込みながら容器を鼻に入れて噴射します。このとき、容器の向きはまっすぐにし、鼻の中心にある鼻中隔(右と左の穴を隔てている部分)にはなるべく薬剤が直接当たらないようにします。ノスラン等ではあまり問題なりませんが、フルナーゼなどのステロイド剤では鼻血が出やすくなったり、鼻中隔穿孔といって穴があいてしまうことがあります。

 

5.花粉症の市販薬

内服薬

花粉症用あるいは鼻炎用として薬局などで市販されている薬はほとんどが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン成分としてはポララミンと同じ「マレイン酸クロルフェニラミン」、もしくはそれに類似の成分(「マレイン酸カルビノキサミン」=シベロンなど)が非常によく使われています。薬のパッケージの成分表で確認出来るかと思います。抗ヒスタミン薬は即効性がありますがあまり効果が持続しない(6時間程度)ので、カプセル状にして効果を長時間持続するようにしたものもありますが、こちらは大体12時間程度の効果が持続します。

 

錠剤では前途の抗ヒスタミン成分が2mg、カプセルでは4mg配合されているものが多いようですが、正確にはd-マレイン酸クロルフェニラミンとdl-マレイン酸クロルフェニラミンというものがあり、同量でd体はdl体のほぼ2倍の効果があります。そのため、d体であれば一日量が3.56mgdl体であれば7.512mgに設定されています。

 

この「d-」とか「dl-」は大抵パッケージに書いてありますが、書いていない場合は上記の一日量でだいたい判断できます。錠剤やカプセルによって抗ヒスタミン成分の配合量が異なりますが、一日量はほぼ同じになるように服用回数などが指定されていますので、d体の2mg錠では一日3回、dl体の4mgカプセルで一日2回、という具合です。

 

単純にマレイン酸クロルフェニラミンという名前だけに注目すると、ポララミン(一日量6mg)より、市販の鼻炎カプセル(一日量8mg)の方が強いのではと感じてしまいますが、一日量が7mgを超える場合はdl体ですので、怖がって服用量を減らしたりしなくても大丈夫です。説明書の用量を守って使用しましょう。

 

代表的な市販の抗ヒスタミン薬 

パブロン鼻炎カプセルS  

ルル鼻炎ミニカプセル 

 

なお、この成分の量=効果=眠気と考えてよいかもしれません。市販薬では眠気解消のためにカフェインなどが配合されているものが多いですが、それでも完全に眠気が解消されるものではありません。眠気についてはかなり個人差がありますので、人によってはあまり気にならないこともありますし、逆に眠くなりすぎて何も出来なくなってしまうこともあります。花粉のつらさを我慢するか、眠気を我慢するか、というのが判断に迷うところです。

 

なお、注意することとして同時に複数の薬を服用する際には、薬の銘柄が違っても成分や効果に同じものが含まれていることがあるということに気を付けなければなりません。例えばポララミン、セレスタミン、それから市販の鼻炎カプセル等に含まれる「マレイン酸クロルフェニラミン」は、総合感冒薬にも含まれていることが多いため、それらの飲み合わせはよほど成分を把握していない限り避けた方が無難です。同時にそれらの薬を服用すると、薬毎の用量を正しく守っても成分あたりの一日の限度量を超える可能性があります。花粉症の最中に風邪をひいた場合など、薬の飲み方には十分注意しましょう。鼻炎カプセルと風邪薬は抗ヒスタミン成分が重複しますので同時に服用することは避け、風邪薬だけにする、あるいは鼻炎カプセルと解熱鎮痛消炎剤(バファリン、イブ等)くらいにしておいた方が安全です。

 

また花粉症とは関係ありませんが、風邪薬と解熱鎮痛消炎剤の飲み合わせも注意が必要です。風邪薬のパブロンエースと解熱鎮痛薬であるイブAにはそれぞれ1回量に150mgのイブブロフェンが含まれているため、一緒に飲むと規定の2倍を服用してしまうことになります。市販薬は様々な成分を含んだものが多いため、基本的に他の薬との飲み合わせは避けた方が良いです。

 

07.02.01追記)最近になって、今まで処方薬だった第二世代抗ヒスタミン薬の一部が、スイッチOTCとして普通の薬局で処方箋無しでも買えるようになりました。買えるようになったのは、塩酸アゼラスチンの内服薬、フマル酸ケトチフェンの内服と点鼻、メキタジンの内服薬だそうです。処方薬の代表名で言うと、それぞれアゼプチン、ザジテン、ゼスラン(メキタジン)になります。

 

薬局に並ぶこれらのスイッチOTCをちょっと調べてみたところ、<塩酸アゼラスチン>ハイガード(エーザイ)、<フマル酸ケトチフェン>パブロン鼻炎Z(大正製薬)、<メキタジン>アルガード鼻炎内服薬Z(ロート)、ピロットA錠(全薬工業)が既に出回っているようです(他にもあるかもしれません)。

 

スイッチOTCとなった第二世代抗ヒスタミン薬

アルガード鼻炎内服薬Z  

ピロットA 

 

点眼薬(目薬)、点鼻薬

花粉症用として市販されている点眼、点鼻薬は様々な成分が配合されていますが、メインとなる成分は抗ヒスタミン薬が多いです。内服薬と同じく「マレイン酸クロルフェニラミン」が代表的な抗ヒスタミン成分です。含有率は0.010.03%です。このタイプはアルガード、アイリスAGクールなど非常に多く出回っていますが、含有率が0.03%のものは非常に即効性が高く、注した直後から目のかゆみがあっという間に引いていくのが体感できます。下記の写真が出ているものは全て0.03%です。即効性が高いのが特長ですが、反面効果はあまり持続せず、使い続けると効きにくくなってくるという欠点があります。予防的には使用せず、かゆいときのみ点眼するようにします。

 

市販の抗ヒスタミン点眼薬(目薬)

 

アルガード  

サンテALクール2  

アイリスAGクール 

 

それと最近は抗アレルギー薬の「クロモグリク酸ナトリウム」と抗ヒスタミン薬の両方を配合した目薬なども出ています。インタールなどを使っていない人には便利です。ただしそういう製品のほとんどは「クロモグリク酸ナトリウム」の含有率がインタールの半分の1%になっていますし、高価です(一本=約10ml1000円以上)。こちらはシーズン中使い続けて問題ありませんが、効きに切れ味を感じられないところが残念なところです。なお、市販ではステロイド系の目薬はみかけません。

 

クロモグリク酸ナトリウム配合タイプ  

AGアイズ  

アルフィット 

 

08.01.17追記)しかし2008年シーズンにとうとう真打ちとも言える目薬がスイッチOTCで市販薬として登場しました。フマル酸ケトチフェンという第2世代抗ヒスタミン薬を主成分としたもので、予防的効果とある程度の即効性を併せ持つ、非常に使いやすいタイプでおすすめです。おそらくこれからの主流になるでしょう。

 

なお、市販の点眼&点鼻薬の多くに血管収縮剤(塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、硝酸テトリゾリン、塩酸オキシメタゾンなど)というものが配合されています。特に点鼻で顕著ですが、使い始めはたちどころに鼻の通りが良くなり気持ちが良いですが、連用するとリバウンドによってかえって鼻づまりを起こすことが多いです。花粉症は人によっては数ヶ月続くものなので、市販の点鼻薬など依存性が強いものは使用に十分な注意が必要です。使うのであればどうしてもつらいときに数日程度を目安にするのが良いかと思います。個人的には花粉症に市販の点鼻薬(血管収縮剤を含まないものはのぞく)を使うことはあまりおすすめしません。

 

※ スイッチOTCのパブロン点鼻ZやザジテンAL点鼻スプレーは、血管収縮剤を含まない純粋な第二世代抗ヒスタミン点鼻薬ですので、花粉症シーズンに渡っての使用が可能でおすすめです。

6.薬以外の花粉症対策

花粉症対策で出来ることは薬を飲むことだけではありません。普段行っている生活をそのまま続けられるという面では薬が一番ですが、面倒がらずに生活を少し工夫することで花粉症の症状を軽減することが出来ます。花粉に触れない、吸い込まないようにすることが大切です。

 

マスク

これは有名なので多くの方が実行していることと思います。最近は良いマスクが増えてきましたね。特にユニチャームの「超立体マスク」は、花粉をしっかりガードしながら口や鼻の回りに空間があって息苦しくならない優れものでした。あまりのヒットぶりに、去年の花粉症シーズンの半ば過ぎから品切れ続出で、いろいろな薬局やスーパーを廻っても手に入れられないほどでした。どうせ使う物ですので、早めにまとめ買いしておく方が賢いかもしれません。ちなみに私は普通サイズでピッタリでした。2007111日には、より花粉ガード能力を高めた新製品「花粉用スーパー」が発売になりました。

 

なお最近ではインフルエンザ対策などでウイルス用のマスクをお持ちの方も多いかと思います。基本的にウイルス用のマスクは花粉にも使用できるとお考えください。花粉の方が粒子が大きいですので、やや息苦しいという以外は特に問題ありません。インフルエンザ用に買ったウイルス用のマスクの余りを是非、花粉症シーズンにもお役立て下さい。

 

ユニ・チャーム 超立体マスク

 

 

ウイルスガード 

超立体マスク(30枚入り) 

 

メガネ

花粉症のつらい症状として眼のかゆみと充血がありますが、普通のメガネをかけるだけでも眼の中に入る花粉の量が数分の1になるそうです。もちろんメガネの形状によっては効果が薄いとはおもいますが、普段コンタクトの方がこの時期だけはメガネにするだけでかなりの効果があると思います。ちなみに花粉を防ぐ効果の高い、「花粉症専用メガネ(サングラス)」というものもあるようですので、ちょっとご紹介。

 

花粉症用サングラス

 

東レの花粉対策サングラス  



洗顔

意外と効果があるのが洗顔です。外から帰ってきたらまず洗顔。これだけでも顔の周りの花粉を落とすことが出来るので、特に目のかゆみ対策におすすめです。なお「アイボン」などの洗眼液も効果がありますが、目の中と目の周囲を同じ洗眼液で洗ってしまうため、事前に十分洗顔して目の周りを清潔にしておく必要があります。間違っても洗顔せずにアイボンを使ってはいけません。

 

玄関前で花粉をはらう

これも簡単なので是非実践したいですね。外から帰ってきたら、玄関前で頭~上着~ズボン&スカートを軽く手ではたきましょう。家の中に花粉を持ち込まないようにするのが大切です。なお、外で軽くはたいても残ってしまう花粉を飛び散らせないためのスプレーというものも出ています。はたいた後、玄関の中で軽く上着等にスプレーしてあげると良いです。

 

花粉対策スプレー類

 

服にスプレーするタイプ 

鼻に塗るタイプ 

顔にスプレー!? 

 

窓をあけない

これは家の中に花粉を入れない手段として基本です。窓を閉め切るというのはあまりしたくないことではありますが、花粉症になってしまったらそんなことも言っていられません。花粉症シーズンは暖かくなって窓をあけたくなる気候ですが、じっと我慢です。花粉症でない方は家に花粉症の方がいても平気で窓をあけてしまったりしますが、どうか気を遣ってあげてください。本当につらいんですから・・。

 

洗濯物&布団は外に干さない

これも基本なんですが、なかなか花粉症でない方には受け入れてもらえないことが多いですね。花粉的には雨の日なら全然洗濯物や布団を外に干してもらってかまわないのですが、まあそんな人はいませんしね。どうしても干したいという場合には、取り込む前によくはたく必要があります。そうでないとアレルゲンを自ら身につけることになりますから・・・。衣類に関してはこの時期だけ乾燥機を使うようにするのも手です。

 

コンタクトを使うならワンデータイプ

視力が悪いとメガネでは十分な視力が得られない場合がありますし、あまりメガネになじめずどうしてもコンタクトにしたいという場合があるかと思います。私なども車の運転などではどうしてもコンタクトをすることになってしまうのですが、そういうときはワンデータイプ(1日使い捨て)のコンタクトがおすすめです。ハードはともかくソフトは花粉用の点眼薬(目薬)が使用出来ないですし、洗ってもコンタクトに花粉が残ってしまう場合があります。家にいるときはメガネで外出するときはワンデーコンタクト、という使い方も良いと思います。

 

空気清浄機

部屋の中の空気をきれいにする空気清浄機は普段それほど使えると思っていないものですが、花粉シーズンには絶大な力を発揮します。昔の空気清浄機は高い割に効果がないというような怪しいものが多かったですが、最近のものは低価格で 1020分で部屋の空気中にあるほとんどの花粉を吸収してしまいます。私も愛用しております。家に花粉症の方がいるけれどどうしても窓をあけたいという場合など、花粉症の方が出かけた時に窓をあけて、閉めてたら空気清浄機をON、という風にすれば部屋に花粉を残さずに換気が出来ます。花粉症のご主人をお持ちの主婦の方などにおすすめです。少し前までは低価格で小型のものが人気でしたが、花粉対策用としては加湿機能付きが有効ということもあり、最近の大きめの間取りに合わせたやや大型の高級タイプが売れ筋です。

 

 
うちのマオも花粉症がひどく鼻づまりが終日ですが、柔道の練習中は鼻が通っているようです。

交感神経が活発になっているせいです。

一時でも鼻閉から逃れるために運動するのもよいと思います。

一時だけなんですけどね。
 

 

 

 

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