診療時間

診療受け付けは

月曜―金曜
AM8:30 から PM12:00
PM2:00 から PM6:00

土曜
AM8:30 から PM1:00

日、祝祭日は休診です。
毎週 水曜午後は前院長の齊藤栄宏が診察しておりましたが、高齢のため引退いたしました。現在は診察は全て現院長の齊藤寛が行っております。予約制ではありませんがご希望の方は是非いらしてください。

2013年9月20日金曜日

勝敗とルール おやじ柔道(57)

 めっきり涼しくなり、おやじのクリニックも風邪をひいた患者さんがこぞって押し寄せる季節となってまいりました。
仕事が忙しくなるのと反比例して夜の柔道に参加できる頻度が減る、社会人としては至極当然の成り行きです。

一昨日は県武の一般の練習に行ってきました。
毎週水曜はよほどのことが無い限り出るようにしています。
金曜は翌日土曜の坂井町柔道教室一般練習と連チャンになるため、よほど体調が良い時以外は行かないことが多いのですが。
武道学園前期の練習もこれで終わりということで、後期の申し込みも兼ねて軽く顔を出すつもりでいってみたら、坂中1年女子の二人が一般の部で練習していました。
もちろん父兄も一緒に道場に来ておりました。
車で送ってもらわないとちょっと来れませんからね、あそこは。
さすがにこんなところで顔を合わせると、どんな顔をして接したらよいか分かりませんというか、こっぱずかしいですね。
いい年したおっさんが何やってるんだろうと改めて思ってしまいます。

練習の方は、前回から復帰したK納君が号令をかけていつものようにやってましたが、中学生や小学生を除いた純粋な一般の生徒はK納君と「藤島」道着の若者ともう一人、中年の黒帯の方とおやじを入れて4名でした。
まあ、こんなものでしょう。
坂中1年女子の二人も、半年前までは少年柔道教室で度々乱取りする機会があったのでさほど新鮮味は感じませんでした。
中学生になって毎日柔道をしているせいか強くなったと感じる部分もあれば、まだ変わってないなと感じる部分もありましたね。
これからの数年は劇的に肉体的にも技術的にも変貌を遂げる時期ですから、そのうちおやじなど相手にされなくなるのは目に見えてますが。
これからも同じ柔道を志す仲間として末永くお付き合いさせていただけたらと思います。

K納君はいよいよ初段取得に向けて動き出すようです。
師範の先生方にまず一級を取るよう言われていました。
初段審査は一級を持っていないと受けられないのですが、県立武道館では一級審査は行っていないとの事です。
なんと、各市町村の柔道団体が管轄する昇級審査を受けに行かなくてはならないそうです。
要するに普段行ったことのない柔道場に行って、中学生に混じって受けねばならないのです。
これはかなり、社会人になってから柔道を始めようとする者にとって大きな障壁に思えます。
中にはそこまでして初段を取ろうと思わない者も多くいるでしょう。
しかも、審査日は中学生に合わせて土曜日の午後くらいだったと思います。
坂井武道館でもたまにやっているようです。
K納君も春江の住人ですので、坂井武道館で中学生たちと一緒に一級を受けねば黒帯になれないということです。
自分が25歳で栃木県で初段を取得した時は、たしか日曜日で午前中に一級の審査が行われ、午後から初段の審査があり、一日で同じ場所で黒帯が取れました。
筆記試験はあったと思いますが既に記憶にありません。
形の審査は昇段審査の試合が全て終わった後、合格者だけを集めて講習形式でざっと行い「後で勉強しておくように」と言われて終わった気がします。
 とりあえず、坂井地区での昇級審査の日程などおやじを含め誰も知らないので、今度土曜夜の坂井柔道一般の部に参加してもらい、顔をまず繋いでから日程を聞いてもらうことになりました。
今週の土曜は警察の採用試験とかで来れないと言ってましたが。
柔道の方も、おやじにバッサリいかれた先週とは一味違い、以前のしつこさを取り戻しつつあったので初段になる日もそう遠くない気がします。

さて、近況についてはこれくらいにして、冒頭の「勝敗とルール」についてですが、何の話かというと前回でも少し書きましたが、柔道のルール改正により試合内容も様変わりしてきたと思うのです。
以前のように指導を複数回もらうと、相手の有効や技ありポイントと同等にみなされることが無くなり、いくら指導を食らっても4回喰らわなければ反則負けにはならないばかりか、一回でも有効などの技によるポイントを取っただけで、あとは逃げ切って優勢勝ちを狙う傾向が顕著にみられました。
なんだかどんどん悪い方向に行ってる気がしてなりません。

IJFの掲げる理想は、お互い技を出し合い積極的に勝ちに行く柔道なのでしょうが、今の柔道はどうやら反則負けになる寸前まで、イエローカード(指導)3枚をフルに使って相手の技をつぶし、隙を見て有効をかすめ取り時間切れに逃げ込む、そんな姑息な柔道に見えます。
それが国際大会で横行しているのです。
確かに戦略的に見れば、それが一番の攻略法かもしれません。
しかし、お互いに技を出し合っているようにはとても見えませんね。
決まらないと分かっている技、もしくは投げ切る気の無い技を相手の攻撃を封じるため、もしくは時間稼ぎのために繰り出している光景をよく目にします。
掛け逃げを取られてもイエローカード3枚までは勝敗に関係ないと言わんばかりです。
まあ、お互いに技による有効ポイントが無い時は指導の数で勝敗が決まりますがね。
それで試合中に一回ぐらい本気で投げる気で技を掛け、それでポイントが取れれば勝ち、取れなければ指導の数で負け。
なんだかルール改正前の柔道より一段と姑息になりましたね。
足取り反則ルールにしてもそうです。
ちょっと掌が相手の下半身に触っただけで反則負けというのはなんだか見ていて解せません。
唐突に試合が終わって、ビデオを見ると「あ~触ってるな~」。
これってなんだか満員電車の痴漢冤罪みたいで滑稽ですね。
故意か偶然かで勝敗が決まる訳でしょう。
そのうち相手の下半身に手が近づきそうになったら、反射的に手を挙げて触ってないことをアピールする選手が出てきたりして。
そんで手を挙げたまま投げられたら、まるでコントですね。
下半身を触ったら負ける格闘技ってそもそもありなんでしょうか。
格闘技とは言えない気がします。

このようにルールで勝敗が決まるというのは見ていて面白いのでしょうか。
柔道の人気が無くなってきているのは、うちの娘たちが通う少年柔道教室に新たな参加希望者が現れないことからも明らかです。
ルールの大きな改変が今後続く予感がします。
早く混迷期を抜けて以前のような活気を取り戻してほしいと願うばかりです。

ルールを逆手にとって勝負をものにしているのは何も柔道界に限ったことではありません。
プロボクシングの世界でフロイド・メイウェザーという選手がおります。
複数の階級を制し、36歳の現在まで無敗を誇るスーパーチャンピオンです。
いま世界中のプロスポーツ選手の中で最も稼いでいるのがこのメイウェザーです。

私、おやじ柔道家は実は高校2年のころから現在に至るまで熱烈なボクシング愛好家でもあります。
と言いましても最近では日本が今年からIBFとWBOというこれまで20年以上も参加を拒んでいたボクシング団体への参入を表明し、従来のWBAとWBCを含めると日本人ボクサーは4団体で世界に挑戦できるというようにチャンスが広がりました。
したがって現在、日本にいるボクシングの世界チャンピオンの数はなんと11人。
昔、日本でボクシングの世界チャンピオンが続けざまに誕生し黄金時代と呼ばれた頃でも5人だったのに。
これだけ世界チャンピオンがごろごろいると当然価値が下がります。
もう少しすると世界チャンピオンでもバイトをしないと食っていけなくなる時代が来るかもしれません。
そんな訳で最近は興味が薄れてきて、世界タイトルマッチもしばしば見逃すことが多くなりました。

少し脱線してしまいました。
フロイド・メイウェザーの話なんですが、彼の試合を見ればわかる通り、対戦相手同様見ているこっちまでフラストレーションが溜まるんです。
何故か、そのディフェンスの仕方に問題があります。
L字ブロックというのを使うんです。
前に出ている左腕をL字に曲げてだらりと垂らし、なおかつ左肩はすぼめてあごを隠します。
下げた左腕は相手が攻めてくれば左脇腹からストマックまでカバーし、右拳はしっかり右あごの横に置いて顔面をカバーします。
メイウェザーはそこから更に左肩をぐいっと斜め前方に出して、いわば相手に背中を向けた状態になるのです。
背部にはキドニー(腎臓)という急所があるのですが、キドニーブローは反則なので当然相手は打てません。
お互い正対しているはずなのに、自分の目の前に相手の背中がある。
おかしな話です。
それで打つところが無くてまごついていると、すかさずハンドスピードを生かしたパンチがまとめて飛んできてポイントを奪われる。
それでいらいらしながら突破口が見いだせないままラウンドが無駄に過ぎてゆき、判定でメイウェザーの手が挙がる。
対戦相手もたまりませんが見てるこっちもいらいらします。
ここでポイントになるのは相手に背を向けるという行為です。
あくまで半身であって、背を向けてるわけではないというのがメイウェザー側の主張ですが、どう見ても半身ではありません。
確かに相手も常に攻めてパンチを出し続けている訳では無いので、相手が攻めてこないときは背中を向けてませんし、その必要もありませんけどね。
しかし、相手に急所をさらして鉄壁のガードと言えるのでしょうか。
いや、格闘技としての常識を逸脱しています。
ルールに守られたうえでの「鉄壁」です。
ルールを無視した戦いの中では何の役にも立ちません。
たちまち急所のキドニーに渾身の強打を打ち込まれ腎破裂で悶絶するのが落ちです。
格闘技と言えどスポーツであり、ルールは必要という意見は分かります。
しかし、こんなルールを逆手にとって試合を優位に進めるやり方がまかり通って、はたして良いのでしょうか。
そんな訳でおやじはこのフロイド・メイウェザーが好きになれないのです。

どんな世界でもルールの死角を見出だし、そこに付け込もうとする者が必ずいます。
せめておやじの好きな柔道においては、武道精神にのっとった「柔道」であってもらいたいです。
国際的スポーツの「Judo」ではなく。
そう考えるとオリンピックで金メダルにこだわる意味も無くなりますね。
オリンピックでやっているのは柔道ではなくJudoなんですから。








 

0 件のコメント:

コメントを投稿